リチウムイオン電池誕生⑤

AEA特許のライセンス契約がリチウムイオン電池を誕生させた証となる

リチウムイオン電池を誕生させた功績が評価され、2014年にはGoodenogh氏の他4名がチャールズ・スターク・ドレイバー賞を受賞し、2019年にはGoodenogh氏の他3名がノーベル化学賞を受賞する。しかし、リチウムイオン電池は間違いなく(株)ソニーエナジーテックが誕生させたのである。

1990年2月14日の発表時点では蓄電池の用途をSONYの製品を中心とする電子機器の総合的に判断して、負極にはCarbonを使用し、正極のLiaMO2としてはLCOを使用するタイプの実用化を優先させた。

その時点ではAEA特許のライセンス契約はいずれともなされておらず、AEA特許のライセンス契約は(株)ソニーエナジーテックがLCOやLNOを正極とするリチウムイオン電池を最初に実用レベルに到達せしめたことを示す証ともなっている。

一方、諸説では、1986年にLCOを正極とするリチウムイオン電池が試験生産され、プレマーケティングが開始されたとの主張もあるが、その電池は命名もされずに、AEA特許のライセンス契約もなされていない以上、1990年2月14日以降にそれを主張するのはリチウムイオン電池の誕生の真相を塗り替えようとしているように思えてしまう・・・

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